あたしには10歳近く年の離れた弟と妹がいて、小さい頃から弟妹の世話に明け暮れていた。
親もあたしのことは「しっかり者の頼れるお姉ちゃん」という目で見ていて、あたしはその期待に応えようと必死だった。
家庭の中でそんな立ち位置にいると、学校でも同じように振る舞ってしまうものだ。
あたしはほとんど無意識のうちに友達の世話を焼きまくり、「おかあさん」とあだ名をつけられたり、もしくはひねくれたヤツから「うざい」と陰口を叩かれたりと、まあそういう人生を送ってきた。
親はあたしに子守を任せきり、弟妹はあたしに甘えきり、友人もあたしに頼りきり。
そういうふうに自他ともに認める世話焼き姉御肌なので、あたしは誰かから気をつかわれたり、優しくされたりしたことがほとんどない。
なかった。
なのに、今、南くんが何気ない気づかいと優しさを見せてくれて。
親もあたしのことは「しっかり者の頼れるお姉ちゃん」という目で見ていて、あたしはその期待に応えようと必死だった。
家庭の中でそんな立ち位置にいると、学校でも同じように振る舞ってしまうものだ。
あたしはほとんど無意識のうちに友達の世話を焼きまくり、「おかあさん」とあだ名をつけられたり、もしくはひねくれたヤツから「うざい」と陰口を叩かれたりと、まあそういう人生を送ってきた。
親はあたしに子守を任せきり、弟妹はあたしに甘えきり、友人もあたしに頼りきり。
そういうふうに自他ともに認める世話焼き姉御肌なので、あたしは誰かから気をつかわれたり、優しくされたりしたことがほとんどない。
なかった。
なのに、今、南くんが何気ない気づかいと優しさを見せてくれて。