あはは、と乾いた笑いを洩らしつつ、あたしは現実逃避のためにさらにビールをあおる。





主任が「いくねぇ。よし、もう一杯!」などと言いつつ、中腰になって店員を呼び、勝手にあたしの分のビールを頼んだ。




そして、座る拍子に、じりりと距離を詰めてくる。






………あれ。



なんかこれ、ヤバい感じじゃありません?




なんか近いんですけど!!






主任の酒臭い息が、あたしの頬にかかる。




ぞわわ、と鳥肌が立った。







ーーー無理っ!!




これ以上、耐えらんないっ!






あたしはとうとう、腰を上げた。




そのまま、席を移動しようとした、そのとき……。







ーーーげっ!!





主任の手がすうっと伸びてきて、あたしの太ももの上に置かれたのだ。