満足げな顔でビールをあおる斜め前の蓮見に、あたしは小声で話しかける。





「………ちょっと、蓮見」





「あぁ？」





「あのね、あんた。さっきのだけどさ、わざわざ飲み会のときに、皆のテンション下げるようなこと言うの、やめてよね」





「はぁ？」





蓮見が眉をひそめる。






「だからさぁ。
みんなの仕事に文句あるのは分かったけどね？

なんでこういう席で、ああいうこと言っちゃうわけ？

部長のおかけで丸くおさまったからいいけどさぁ、みんなが楽しみにしてた席で、けなすようなこと言うのは最低」






あたしが歯に衣着せずに批判すると、蓮見はきょとんとした顔になった。




………まぁ、他人の気持ちを考えられない蓮見だから、仕方ないか。






「………とにかく、部長にお礼を言いなさい」