「蓮見の仕事には、無駄がない。

そして、妥協がない」






静かに頷くみんなに対して、部長がおどけた感じで、「ついでに、気遣いもない」と言うと、小さな笑いも洩れた。






「蓮見は、常に全力で目の前の仕事に向き合うし、決して手を抜かない。

そういう姿勢は、ぜひとも皆に見習ってほしいと、俺は思っている」






部長は穏やかな笑みをたたえて語る。




押しつけがましくない口調に、誰もが素直にその言葉を受け取ることができるようだった。




もちろん、あたしも、その一人だ。





蓮見は妥協しない。



無駄なことや、要領の悪いこと、非生産的なことも許さない。




そうやって、最短のルートで、最も効率よく、時間をかけずに、仕事を進めていく。



そのためには、多少の無理も厭わない。