*
蓮見の先導のもと、飲み会の会場となっているイタリア料理店に到着した。
店内は、すでに赤い顔をしたサラリーマンの皆さんでいっぱいだ。
店員に案内されて、店の一番奥にある大きなテーブル席に通される。
仕切りのカーテンを引いて蓮見が顔を覗かせた瞬間。
「おぉっ、蓮見! 待ってたぞ!」
野沢部長が嬉しそうに手を挙げた。
蓮見もにこりと笑い、「どーも、野沢さん」と答える。
「ほら、蓮見、ここ座れ、ここ!」
みんなが揃うのを待ちきれなかったのか、野沢部長の前にはすでに大ジョッキのビールが置かれていて、部長は上機嫌に蓮見を手招きした。
蓮見は誘われるまま、部長の隣に座る。