そのとき、ちょうど電車が目的の駅に到着した。





背中のドアが開いて、あたしはホームに降り立つ。



蓮見もすぐに続いた。







「………あたしね」






「なんだよ」






「浮気する男とか、大嫌いなんだよね」







じとりと蓮見を睨みあげながら言うと。







「ぷっ、なに言ってんだか」







蓮見は、なぜか心底おかしそうに吹き出した。







「なんで笑うわけ！？」







あたしがイライラしながら見ると、蓮見は憐れむような顔で、教え諭すように、ゆっくりと言った。







「………あのな、浮気されるほうが悪いんだよ。


相手を満足させられなかったんだから」







「………っ！？」








なっ、なんだってーっ！？