蓮見がすぐには答えなかったので、あたしは顔を上げる。




見ると、蓮見は、何かを思い出すように眉をひそめて、天井を眺めていた。





そして、しばらくしてから、一言。






「あ、そーだ。浮気したからだ」





「………えっ!?」






蓮見の平然とした爆弾発言に、あたしは目を剥く。






ーーーすごいな、その女の子。




蓮見と付き合ってるのに浮気とかーーーものすごーく恐ろしいことになりそうなのに。






「………それは、お気の毒に。

何て言っていいのか……いくら蓮見でも、傷ついたでしょ?」






おそらく傷心であろう蓮見に、あたしはいたわり深い言葉をかける。