肺が圧迫されたのか、息苦しい。



慌ててドアに肘をついて、胸が潰されるのを防ぎ、なんとか呼吸を整える。





ちょっと体勢が安定した、けど………うぅ、やっぱ、苦しい………。





と、思っていたら。








ーーーぐいっ。






突然、強く腕を引っ張られて、あたしはよろけた。





驚いて顔を上げる。






視界を埋め尽くす乗客たちの中で、頭一つ飛び出した、端整な蓮見の顔。




そのすました無表情が、あたしを見下ろしていた。






ゆっくりと視線を下ろしていくと、蓮見の手が、あたしの腕をしっかりとつかんでいる。






………えーと、うん。





つまり………助けて、くれた?





蓮見が、あたしを?