「あ、そーいやさ」






あたしは蓮見の生態について考えるのを放棄し、話題を変えた。






「今日の飲み会ね、野沢部長も来るらしいよ」





「えっ、まじか!!」






蓮見の声がぱっと明るくなった。




嘘がつけない男・蓮見は、山崎主任のことが大嫌いなのに反して、野沢部長のことは大好きなのだ。






急ににこにこしはじめた蓮見を、あたしは呆れたように見る。






「………あんた、ほんと、野沢部長のこと好きだよね」





「当たり前だろ。

あの人は仕事できるし、なにより、俺の能力が稀有なものであることを的確に理解している貴重な人だからな」






………やっぱり自分のことなんだ。