社員通用口に向かうあたしの後ろを、蓮見がゆったりとした足取りでついてくる。





「おい、清水」





「………なに」





「お前、一人で行くのか?」





「あんたと一緒に行くくらいなら、一人で行ったほうがマシなんで」





「ほー、言うじゃねえか。
じゃ、場所、分かってんだよな?」







ぴたり、とあたしは足を止めた。




くるりと振り返る。



そして、ぺこりと頭を下げて。






「…………すみません。

一緒に連れていってください」






「ははっ、やけに素直じゃねえか」







ーーー恥を忍んでるんですよ。



楽しみにしてた飲み会の店に辿り着けなかったら困りますからね!!