「自分の仕事が雑なのが悪いんだろ?

四の五の言わずに、俺の言う通りにしてればいいんだよ。


そんなに飲み会行きたいんなら、さっさと仕上げりゃいいだけの話だ」







ーーー鬼神、ここにあり。





相手の事情も周囲の状況も、何一つ考えず、傲然と無理難題を押しつける。




これを鬼と呼ばずして、何と呼ぼうか?






もはや室中の人々が、言葉もなく蓮見と山田くんのやりとりを見守っていた。






そこで、室長の小林さんが、おそるおそる、蓮見に声をかける。







「あのー……蓮見くん」






「なんですか、小林室長」






「あのね、山田くんね、まだ二年目だし……今日はほら、課の飲み会だし、ね?

ぜひ参加してほしいから、もう少し締め切りを伸ばしてあげられないかな?」