ドアを開けた瞬間。






「あっ、蓮見さんだ!!」





「蓮見さんが来た!!」






隣室のみなさんが、ざわざわっと色めきたった。





ーーーあぁ、彼らの心の声が聞こえる。






(……ひぃっ! 蓮見さんだ!)





(また何かミスがあったのか……!?)





(誰だよ、蓮見との仕事でミスなんかしやがった奴は!?)





(あぁ、また、地獄に招待される奴が出るのか………!)





(まさか、この間の資料、どこか不十分なとこがあったんじゃ……!?)





(いや、俺じゃない、俺じゃない! 断じて俺のはずがない!)





(二重チェックどころか、五重チェックしたんだ、ミスなんかあるわけない………っ!)





だいたいこんな感じだろう。