ーーー無視、無視。



こんな馬鹿に対していちいち苛立ってたら、身が保たない。




仏の心、菩薩の面。




あたしは必死で自分にそう言い聞かせ、炒飯を最後の一粒まで平らげた。



立ちあがって返却口に向かうと、蓮見が後ろをついてくる。




社食を出たあと、蓮見に対する怒りが治まらないあたしは、ヤツを引き離そうとずんずん歩いたんだけど。




蓮見はくそ長い脚を悠々と動かして、平然とあたしの横に並んで歩きやがる。






あー、こーゆーとこも腹立つわ。






室に向かって無言で歩いているうちに、あたしはあることを思い出した。




蓮見に一言、言わねばなるまい。