席についた途端、蓮見があたしのトレイをひょい、と覗きこんで、「うーわ」と顔をしかめた。




「お前また、よりにもよってそんな太りそうなメニューを」




デリカシー皆無の無礼すぎる発言にムカッとして、さっと蓮見のトレイを見ると、

なんと、ミックスグリル定食に唐揚げをプラスしているではないか。




「はぁ? なにが太りそうなメニュー、よ!

あんた、ぜんぜん人のこと言えないじゃん!」



「俺はいいんだよ、いくら食べても太んねえからな。

それに、お前の倍、頭つかってるから、お前の倍、エネルギーが必要なんだよ」



「なんだってぇ!?」




すると蓮見は、いきなりこちらに手を伸ばしてくる。


なにごとかと身構えていると。




―――ぷにっ。


ブラウスの袖から出ているあたしの二の腕の肉を、思いっきりつまんできた。



あたしが唖然としていると、蓮見は「おいおいおい」の肩をすくめる。




「なんだこの二の腕は!

だるっだるじゃねぇか。

この贅肉、いつまでくっつけてるつもりだよ」