「なぁ、清水」






「なによ。早く寝ろ、馬鹿」






「ふん」







蓮見が小さく鼻を鳴らし、ゆっくりと上半身を起こした。




しゃら、とシーツの擦れる音。






「――――蓮見?」






なんだろう、とあたしは頬杖をやめ、顔を上げた。





蓮見は何も言わないまま、ベッドの端に左手をつく。



その手に視線を奪われた、その一瞬。






「――――ぅわ」






あたしの世界が反転した。