三時間ほど経って、薄味の肉じゃががそろそろ完成するかな、というところで、蓮見がのっそりと寝室から出て来た。






「………なんか、いい匂いがする」






眠たげな目を擦りながら蓮見が言う。



だいぶすっきりとした顔になっていた。





あたしは少しほっとして、「これ」と鍋を指し示した。







「肉じゃが。

病み上がりだから味付けは薄めだけど。


あと、消化の良さそうなものも何個か作っといたから。

食欲出て来たら、あっためて食べて」






「………ん。なかなかうまそうに出来てんじゃねえか」







その口調は、いつもの蓮見らしさ満載。