「はい、できたよ」




「おう。……なんだこれ」




「玉子がゆ」




「ふぅん……初めてだ」






蓮見は物珍しそうに茶碗を眺めていた。



木製のスプーンでちょびっとだけすくい、口に運ぶ。






「お、意外とうまい」





「意外とって失礼な!」





「いや、米と水と卵だけなんて、なんつう貧乏くさい料理だと思ったから」






―――なんだろ、いちいち癪に障るな。