あたしを見上げてくる蓮見の目は、どことなく赤くて潤んでいるように見える。






「………ちょっと、どうしちゃったの、蓮見?」






「いや、よく分からん。

ただ、とにかく、頭が常にがんがんいってて、ぼーっとして、やけに暑くて………。


………あ、そうか、脳腫瘍かも知れん。

もしくは脳内出血か……」






「………なんですと?」







一瞬、冗談のつもりかと思ったけど。




蓮見は冗談なんて言うようなやつじゃない。





それに、目の前にある蓮見の顔は、しごく真面目だ。




どうやら、本気で言っているらしい。