蓮見はまだ、どこか虚ろな表情であたしを見つめている。




こんなに気力の抜けた蓮見の顔は、初めてだ。







「………あんたが体調悪いって聞いたから、介抱しに来たの!」






「………ほう」







蓮見はぼんやりと頷いた。




なーんか、調子狂うなぁ………。







「で、どうしたの、風邪?」






あたしは蓮見をソファーに座らせ、確認するように訊ねた。




でも蓮見は、うーんと首を傾げるだけ。







「なんなの、風邪じゃないの? 腹痛?」





「………いや、よく分からない………」





「はっ!?」