残りの仕事を出来る限り進めておいて、昼休憩のチャイムが鳴ると同時にあたしは会社を出た。





オフィスビルの間を駆けるような速さで通り抜け、駅の改札を通り、電車に飛び乗る。




蓮見の住む町の駅で降りて、あたしはスマホを取り出した。





蓮見の番号をタップして、電話をかける。





ーーー出ない。



予想はしてたけど。






仕方ない。



突撃訪問するしかないな。





あたしは記憶を辿りながら、蓮見のマンションに向かう。




途中で薬局とスーパーに寄り、支援物資も購入した。





蓮見の部屋の前に立ち、チャイムを押す。




しばらく待っても反応なし。




二度、三度とあたしは押し続けた。