あたしはがばっと立ち上がり、社食へと向かう人波に逆らって、室長のデスクの前に立った。






「清水さん、どうかした?」





「すみません、昼から有給とります」





「えっ!?」







あえて、『有給とってもいいですか』ではなく、『とります』と言った。




前者の言い方では、いきなりそれは困るとか返されそうだったから。






あたしはもう心を決めていた。




今日は、何が何でも昼で帰る!!







「どうしたの急に? 調子悪い?」





「はい、調子悪いんです」






あたしは堂々と答えた。





嘘ではない。




確かに、有給の理由は『体調不良だから』だ。






あたしの、ではないけどね。