「蓮見くんがいない……」




「うそ!」




「もしかして有給じゃないですか?」




「なにも聞いてないよ」




「ってか蓮見さんって有給とったことなんかなくない?」




「いつも有給とっても出社してるから」




「うわ、どんだけ仕事好きなの!?」






ーーーそう、蓮見は仕事が大好きなのだ。




だから、有給休暇を取得しろと上司から言われると、不承不承手続きはするものの、結局は会社に現れて仕事を進めるのだ。





『俺が休んでいる間にお前らがどんな非効率的な仕事をしているかと想像すると、不安すぎて休んでいられない』のだそうだ。






そんな蓮見が、いない。




いったい何事だ、とみんながざわつきはじめたとき。