「あれ。今日も蓮見、まだなんだ?」







一夜明けて、あたしが出勤すると、昨日と同じように、オフィスには蓮見の姿がなかった。





あたしの独り言に顔を上げた星野さんが、「うん、まだみたいだよ」と答えてくれる。






「二日連続で定時出社ですかね?

ほんと珍しい………」






「だよね。なんか用事でもあるのかな」






「朝っぱらから? うーん、どうですかねぇ……」







あたしは首を傾げながら席についた。





そのまま、しばらく仕事に没頭する。




そして、気がついたら始業のチャイムが鳴っていた。






はっと顔を上げて、蓮見の席を見る。





ーーーなんと、蓮見はまだ来ていないようだった。