蓮見は感情の起伏ってものがあんまりなくて、いつも同じ態度でいるタイプだ。



いつもの態度ってのは、つまり、横暴で自分勝手で言いたい放題ってことなんだけど。





それが今日は、なんていうか……覇気がないっていうか。




一体どうしたんだろう?






「…………蓮見、あのさ……」






あたしが声をかけると、蓮見は目を覆っていた手をどけ、険しい顔であたしを見上げた。




そして、ぶっきら棒な声で一言。







「まだいたのか、清水。

早く仕事しろよな」







「………はいはい分かりましたよ!!」







まったくもう、せっかく人が心配してやったってのに!!





触らぬ神に祟りなし、今日はもう蓮見とは接触しないに限る!!






あたしはむかむかしながら仕事に戻った。