蓮見が立ち上がり、自販機に小銭を投入した。





がこん、がこん、と落ちてきた缶を蓮見は取り出し、「ん」と一本をあたしに投げてよこす。





前にコーヒーをもらったことを思い出しながら見てみると、予想に反してそれはエナジードリンクだった。






「………あ、ありがと」






「お前、なんか最近元気なかっただろ?

まぁ、それ飲んで気合い入れて働け」







蓮見は後ろ姿でぷらぷら手を振りながら、すたすたと立ち去っていった。






思わぬ優しさに、頬が緩んでしまう。





吾郎のどこか押し付けがましい、その場しのぎの優しさとは違う、さりげない優しさ。






………ちくしょーっ、ちょっとキュンとしちゃったじゃないか!!




蓮見なのに!!