赤坂さんが一口コーヒーを飲んでから、ふふっと笑みを洩らした。




「………でもね。

私、ちょっと『ざまぁみろ』とか思っちゃった」



「え?」



「なんか、すっきりしたっていうか。

ほら、主任ってさ、………あれじゃない?」



「あー………」




赤坂さんは言葉を濁したけど、言わんとするところは、あたしにもすぐに分かった。



誰も、社内ではっきり口に出したりはしないけど。


主任はやっぱり、上に立つ人間の器じゃないし、部下たちには正直好かれていないのだ。



まぁ、それは本人の性格に大問題があるわけで。




「蓮見くんみたいに、あんなふうに思ったこと何でも言えるのって、すごいよねぇ」



「………まぁ、常人には出来ませんよね」