「おう、別れるぞ。


あー、せいせいするわ」







「………さよなら。

最後までちっとも優しくなかったね」







「知らねえよ。


じゃあな。

もう会うこともねえだろうけど、まぁ元気でな」








蓮見が軽く言って、佐藤さんが走り去る足音が聞こえた。







「…………はーっ、ったく、無駄な時間つかっちまった………」






蓮見が溜め息まじりに言っている。





ほんと、独り言まで最低だ。







面白すぎて、とうとうあたしは、盛大に吹き出してしまった。






その音はもちろん蓮見にも聞こえてしまって。







「…………あ、清水っ!?」







自販機の向こうからひょいと顔を出した蓮見が、目を丸くして叫んだ。