ーーー蓮見のおかげ、かな。





正直すぎる、嘘のつけない男。






あたしも、蓮見を見習って、自分に素直になろう。






見栄とか、プライドとか、捨てて。





自分の気持ちに正直になろう。








あたしは晴れやかな気持ちで、ベンチの背もたれに身体を預けた。






あたしがひとり勝手にすっきりしている傍らで、二人の修羅場は終わりに近づきつつあった。







「………信じらんない!! 最低!!」






佐藤さんが叫ぶ。







「信じらんねえなら、別れるしかないだろ」







蓮見がなんでもないことのようにけろりと言う。




ほんと、無神経、デリカシー皆無。