ーーーそうだ。




あたしは、浮気されたことよりも何よりも、嘘をつかれていたことが、どうしようもなく嫌だった。




裏でこそこそされていたことに、いちばん傷つけられた。





何も気づかずにへらへらと幸せを満喫してるつもりでいた自分が、情けなくて仕方なかったんだ。






………あー、なんか、さっぱりした。






ずっとどろどろとしていた心が、やけにすっきりと晴れ渡る。







やっぱり、吾郎とは別れる。




今日、帰ったら、吾郎に全部話して、思ってること全部ぶちまけて、追い出してやるんだ!!







決心が固まると、あたしの口許には、自然と笑みが浮かんだ。






心から笑ったのなんて、いつぶりかな?





最近のあたしは、自分じゃないみたいに、ほんとに暗くて沈んでたから。