仕事がひと段落ついたところで、ちょっとコーヒーでも飲もうかと、あたしは給湯室に向かった。




「あっ、赤坂さん!」



「おつかれー、清水さん」




あたしに向かってにこやかな笑みを向けてくれているのは、同じ課の三年先輩の女性、赤坂さん。




「お疲れ様です」




あたしは軽く会釈をして隣に並んで立ち、紙コップにアイスコーヒーを注ぐ。




「………さっきの蓮見くん、すごかったねぇ」




赤坂さんが、しみじみとした口調で呟いた。



あたしはこくこくと頷き、「相変わらず、言いたい放題でしたね」と答える。