―――てゆーか、佐藤さんよ。




いくらなんでも、あの蓮見と付き合ってて、まめな連絡とか記念日のお祝いとか期待するのは、大間違いじゃないでしょーか。






とか内心ツッコミつつ、あたしは耳をそばだてる。








「………まーくん、私のこと、嫌いになっちゃったの?」








佐藤さんが砂糖菓子みたいな(※注:シャレではない)声で、今にも泣き出しそうに呟いた。




蓮見がはぁっと溜め息をつくのが聞こえる。








「………べつに、今はそういう話してんじゃねえだろ。


論点をずらすなよな」






「なによ、それ」






「議題に沿って話し合わねえと、いつまで経っても結論が出ないだろうが。

議論は効率よく、が俺の信条なんだよ」








……………さすが、蓮見。




彼女と痴話喧嘩をしていてさえ、議論だの議題だの論点だの効率だのと、蓮見らしすぎる言葉のオンパレード。