*
「朋ちゃん、おっかえりー♪」
吾郎がにこにこ笑いながら出迎えてくれる。
「………ただいま」
あたしは小さく呟いて、吾郎の脇をすり抜けた。
「あっれー、朋ちゃん、なんかご機嫌ななめ?」
他人の顔色に妙に敏感な吾郎は、すぐにあたしの様子に気づいたらしい。
あたしは俯いたまま小さく笑って、「そんなことないよ、ちょっと疲れてるだけ」と返した。
「そっか-、おつかれ。
俺、今日がんばってご飯つくってみたよ!」
「え、うそ」
思わず顔を上げる。
吾郎が上機嫌な顔でリビングのテーブルを指差した。
メニュー
メニュー
この作品の感想を3つまで選択できます。
読み込み中…