「朋ちゃん、おっかえりー♪」






吾郎がにこにこ笑いながら出迎えてくれる。






「………ただいま」






あたしは小さく呟いて、吾郎の脇をすり抜けた。






「あっれー、朋ちゃん、なんかご機嫌ななめ?」






他人の顔色に妙に敏感な吾郎は、すぐにあたしの様子に気づいたらしい。




あたしは俯いたまま小さく笑って、「そんなことないよ、ちょっと疲れてるだけ」と返した。







「そっか-、おつかれ。

俺、今日がんばってご飯つくってみたよ!」






「え、うそ」






思わず顔を上げる。




吾郎が上機嫌な顔でリビングのテーブルを指差した。