あたしは興味のないふりをして頷いたけど、なんとなく引っかかるものを感じた。





飲み会の席で一緒になったくらいで、香水のにおいなんかうつるかな……。






でも、そんなこと言って疑うのも、なんかめんどくさい女みたいだから、あたしは何も言わなかった。







「あー、寒かった。


俺、お風呂入るね」






「あっ、うん、沸いてるよ」






「さっすが朋ちゃん!」







吾郎はにこっと笑って、あたしの頬にキスをしてきた。







………うん、いつも通りの吾郎だ。





ちょっとでも変に思ったりしてごめんね。







吾郎はコートを脱いでハンガーにかけて、洗面所に向かった。