でも、主任は構わず、ねちねち攻撃を続ける。




「でもねぇ、残念ながらねぇ、そんなはずあったんだよねぇ」



「……………」



「ほら、ここ、見てみてよ。

君がつくったこの表だけどね、ほら、僕の手元にあるこの資料のグラフと比べると」



「……………」



「ほら、ね? 数値が違ってるでしょ?

このままじゃ上に出せないからさぁ、早急に、訂正してよ」




山崎主任がねちねちと言葉を重ねる。


やばいよ、それ以上続けると………とあたしがひやひやしはじめた、そのとき。




「…………はぁん?」




蓮見の口から、上司に対するものとはとうてい思えない、低く地を這うような不躾な声が洩れた。