「おかえりー、吾郎」






「ただーいまー。

なになに、お出迎え?」







明るい笑顔で吾郎が言う。







「まぁねー、たまにはねー」






「朋ちゃんたら、さみしかったんでしょ」






「ばか、気が向いただけだよ」






「またまた、意地はっちゃって!!」







吾郎がぎゅっと抱きついてきた。






そのとき、なんだか花のような香りが、あたしの鼻腔をくすぐった。







「………ん? 吾郎、なんか良い匂いするけど?」






「えー、そう?」






「なんか、香水みたいな……」







吾郎がくんくんと自分の服の匂いを嗅ぐ仕草をする。







「飲み会で女の子もいたから、匂いうつったかな?」






「ふぅん……」