「………うー、さむ……」






季節はいつも、知らぬ間に流れている。




いつの前にか秋も半ばを過ぎて、夜はめっきり冷え込む。





あたしはコートのボタンを一番上まで留めて、肩を竦めて歩いた。







ーーー季節は変わるけど、あたしの毎日は特に変わらない。





相変わらず会社では蓮見にこき使われ、家に帰ると吾郎に癒される。





社会人になると、時の流れが本当に早い。




学生時代みたいに季節感のある節目節目のイベントもないし、気がついたら季節が変わっていて、いつの間にか一年が終わっている。






ちょっと虚しい気もするけど、まぁ毎日充実してるってことで、良しとするか。