持ち主の意志とはまったく無関係に動く、わがままなあたしの心臓は、勝手にどくどくと早鐘を打っている。






………なんで、あたし、蓮見にどきどきとかしちゃってんの。






だって、相手は、蓮見だよ?





たしかに顔はめちゃくちゃ良いけど、中身は俺様で鬼畜で自己中な蓮見だよ?







………あぁ、でも。




あたしは知ってる。







蓮見がほんとは、すごく優しいってこと。





―――いや、『すごく』っていうのは語弊があるな。





『わりと優しい』くらいかな。






でも、まあ、とにかく蓮見は、嫌味で傍若無人なだけじゃないってこと。






普段が普段なだけに、たまにその優しさを垣間見たりすると………






きゅんときちゃってもしょうがないじゃないか。