「…………ぅう〜〜〜………」







咽喉から勝手に音が洩れる。






やばい、蓮見にばれちゃう………。







あたしはがばっと両手で顔を覆った。






「………おい、清水？」






蓮見が怪訝そうな声で訊ねてくる。




でも、あたしは、何も答えられない。





だって、声を出したら、泣き声になっちゃいそうだもん。







「清水？」






「………あっ」







蓮見が突然、あたしの両手首をつかんで持ち上げた。





俯くあたしの情けない泣き顔が、蓮見の端整な顔の前にさらされる。






「………ちょっ、やめ……」






「ぷっ、泣いてんのかよ、お前！！」






「………っ！！」







目を上げると、蓮見が可笑しそうに笑っていた。