蓮見の眉間に、深く皺が刻まれる。




形の良い唇の隙間から、低い声が洩れてきた。







「…………清水はなぁ。

俺が認めた人材なんだよ。


その清水に、ケチつけんな。



部下の揚げ足とってる暇があったら、国語の教科書でも読んどけ。


分かったか!!」








「は………はい………」









蓮見の剣幕に、主任は壊れた人形のようにこくこくと頷いていた。







「子供じゃあるまいし、みっともねえ逆恨みしてんじゃねえぞ、変態エロオヤジ」







蓮見は「ふん」と鼻を鳴らし、あたしを見下ろす。







「行くぞ、清水」






「え……っ」







気がつくとあたしは、蓮見に手首をつかまれ、室の外に連れ出されていた。