素早く目を通して、一言。







「………なんか、清水の文章が鼻につくとか読みにくいとか、四の五の言ってる声が聞こえた気がしたんですがね」







「あ、いや、うん、まぁ……」







主任の顔に視線を移した蓮見の目が、すうっと据わる。







「………ふぅん。


あんたには、この程度の文章を読む読解力さえ、ないわけか」







「な……っ」







主任が目を見開いた。



そして、口をぱくぱくとさせている。






蓮見は構わず言葉を紡ぐ。







「この文章のどこに『小難しい』言葉だの読みにくい表現だのがあるのか、俺には全く分からないんですがね。


主任の読解力と知能の低さを、書き手のせいにするのは如何なものか、と思うんですが」