「………どーも、お邪魔します」






蓮見は感情のない声で告げる。




主任は硬直したまま呆然と蓮見を見上げていた。





あたしも似たようなものだ。




あたしが主任に呼ばれる前に部屋を出て行ったはずなのに、その蓮見がなんでここに?





そんな疑問が聞こえたかのように、蓮見が言う。







「………俺にしては珍しく、忘れ物をして取りに戻ったら。


なんだか、楽しそうなことやってるじゃないですか?


ん? 主任」






主任が寂しい額に脂汗を浮かべている。






「………いや、これは。

あのー、清水さんに仕事の手ほどきを………」







「どれどれ」







蓮見は足をデスクに乗せたまま、主任のパソコンのディスプレイを覗き込む。