「………ちょっと、清水さん、大丈夫?

もしかして、泣いちゃうのー?」







主任のねちっこい声が、じっとりと耳に忍びこんでくる。






いやだ、いやだ………。




ひとが必死に我慢してるときに、なんてこと言うの?







「清水さん、やめてよぉ、参ったなぁ。

僕、そんなつもりで言ったんじゃないんだけどなぁ」






「………………」






「ただねぇ、今後の勉強のためにもねぇ、言ってあげたほうがいいんじゃないかなぁって思って、僕なりに気をつかってさぁ」






「……………っ」






「それなのに泣かれちゃったりしたら、まるで僕がいじめてるみたいじゃ」







ーーードスンッ!!








主任の言葉が、唐突な音に遮られた。