しかも、ご丁寧に、蓮見のいないところで、というのが憎たらしい。





あの日、蓮見にセクハラの現場を見られてこてんぱんにやられて、そのむしゃくしゃが収まらなくて。



かといって蓮見に直接嫌味を言うのは反撃が怖いので、あたしに矛先を向けてる、ってところだろう。







「………うーん、どこが悪いか、分からないの?」






「………はぁ、そうですね」







あたしは適当に頷く。




主任はにやにや笑いながら、あたしの顔をじっと見上げてくる。







「まぁ、しょうがないよね、清水さんまだ若いからねぇ」






「はぁ、すみません」







あたしの反応が薄いのが気に入らないのか、主任の表情に余裕がなくなっていく。






「………というかね、前々から思ってたんだけどさぁ……」






「………なんですか?」