「………分かりにくい、ですか?」






べつに、いつも通り書いたつもりなんだけど。




でも主任は、例のねちねちとした口調で、






「うーん、なんて言うかねぇ。

すっと頭に入ってこないっていうか……。

一文一文が長すぎるんだよねぇ……」







「………そーですか……?」







「うーん、残念ながら、ねぇ……」







「………すみません」







何が主任の気に入らないのかは分からないけど、とりあえず謝っておく。




納得できなくても、上司の言うことには首を縦に振る。



まぁ、これが世渡り術ってやつだよね、悲しいことに……。







あの一件以来、とにかく主任は、ことあるごとにあたしを呼びつけては、仕事のミスを指摘するのだ。




まぁ、確かにミスがあることもあるんだけど、今日みたいに、どこが悪いんだか分からないような揚げ足とりまでしてくる。