まさか社内に大魔王がいるなんて、とか思ってるのかな。




いえいえ、大魔王よりも閻魔大王よりも、ずっとずっと強烈な人がいるんですよ、うちには。







「は、蓮見さんって、一体どんな………」





「そーだねえ。一言で言えば、鬼だよね、やっぱ」





「お……鬼………」






福島くんの顔が青ざめていく。




あたしと橋口さんは、笑いをこらえるのに必死だ。






「そ。仕事の鬼」





「仕事に関しては、まったく妥協を許さない」





「完全に許容量を超えた仕事量を遠慮なく振られる」





「少しでも遅れたり、手を抜いた仕事をすると、容赦なく罵倒され、叱咤され、いたぶられる」





「そしてまた信じられない量の仕事を強要される」





「……………」






福島くんの顔は、青から白になった。