「え……奥義、ですか………」






福島くんがきょとんとした顔になる。




あたしはにこっと笑い、秘技の伝授を始めた。






「あのね、うちの室にはね」





「はい」





「室内の誰よりも、というか、うちの課の中で一番、力を持ってるやつがいるわけ」





「はぁ……」





「てゆーか、注意しないといけない危険人物、ね」





「きっ、危険人物!?」






福島くんが驚いたように目を瞠る。



でも、危険人物としか言いようがないのだから、仕方がない。






「あたしらの同期で、蓮見っていうんだけど」





「あっ、蓮見さん!?」






蓮見の名を聞いて、福島くんは反応を見せた。