すぐにぴんときて、「恒例のやつ、やる?」と訊ねる。




橋口さんはにやりと笑い、「もっちろん」と答えた。





あたしも同じようににやりと笑い、「いきますか」と立ちあがった。




新しいデスクに座り、引っ越しの荷ほどきを開始した福島くんの前に、二人で並んで立つ。







「福島くん」





「ちょっと、いい?」





「えっ? あっ、はい」






妙齢の?先輩女性社員に突然声をかけられて、二年目の福島くんはおどおどしている。





あたしたちはちょいちょいと手招きをして、福島くんを休憩室まで拉致した。





強制的にイスに座らされた福島くんは、やっぱりがちがちに顔を強張らせている。