*
「………んー……だる……」
アラームの音で目覚めたあたしは、いつになく重い身体を引きずるようにしてスマホを手に取り、スヌーズを切る。
そして、あと五分………と布団の中に逆戻り。
「………うー、朋ちゃん?」
しばらくすると、隣に寝ていた吾郎が、寝ぼけまなこで抱きついてきた。
「う、苦しいってば、吾郎……」
「やだー、離したら朋ちゃんが会社いっちゃうもーん」
まぁた可愛いことを………。
あたしはくすりと笑って、吾郎の頭を撫でる。
「でもねぇ、働かなければならんのだよ、社会人だからねぇ」
「やだー、朋ちゃんとだらだらしたいー」
「はいはい。でもそろそろ離してねー」
あたしが起き上がろうとすると、吾郎はむうっと唇を尖らせる。