あたしは顔を背ける。




それでも吾郎は追いかけるように顔を近づけてくる。






「ちょっと……吾郎……ごはん……」





「………あとでいーよ」





「おなか、空いてるし……」






なんとかして流れを変えようとするあたしに構わず、吾郎はあたしの胸のあたりに手を這わせようとする。




あたしは慌ててその手を掴んだ。






「だめ……だって、ば!」





「えー……だめなの……?」






そんな、捨てられた子犬みたいな目で見られると……。





ーーーいやいやいや、だめだめ!!







「ってか、まだ早くない!?」





「早いって?」






吾郎が心底不思議そうな顔で首を傾げる。