「ただいまー」





そう口に出してから、あたしはなんとなくほっこりした気分になる。





ついこの間まで、『ただいま』はただの独り言だったけど。




吾郎とヨリを戻してからは、家で待っている誰かに向けての言葉なわけで。






「おっかえりー♪」






そうそう、こうやって返事があるっていうのも、なんだか嬉しい。







「おつかれ、朋ちゃん」





「んー、吾郎こそ」





「えへへー」






吾郎が明るく笑い、あたしの頬にぶちゅっと唇を押しつけてきた。






そして、その唇があたしの唇に移動する。