* 「ただいまー」 そう口に出してから、あたしはなんとなくほっこりした気分になる。 ついこの間まで、『ただいま』はただの独り言だったけど。 吾郎とヨリを戻してからは、家で待っている誰かに向けての言葉なわけで。 「おっかえりー♪」 そうそう、こうやって返事があるっていうのも、なんだか嬉しい。 「おつかれ、朋ちゃん」 「んー、吾郎こそ」 「えへへー」 吾郎が明るく笑い、あたしの頬にぶちゅっと唇を押しつけてきた。 そして、その唇があたしの唇に移動する。